【1月書籍化&コミカライズ配信中!】今宵、この口づけで貴方様を――
だが、乙葉が人の提案など聞くわけがなかった。
清次郎に対して当たりの強かった乙葉に、初めて貴一と八重が叱ったのだ。
2人にとっては、清次郎は乙葉とともに黒百合家の将来を担う大事な婿。
結納を終えたからとて、逃げられては困る。
それに、乙葉の態度を蛭間家に告げられ、今さら関係がこじれるのも避けたい。
そこで、わがままを言うなと乙葉を叱ったところ、怒られ慣れていない乙葉は激怒。
口喧嘩に発展し、こうして乙葉は家を飛び出してきたのだ。
行くところがないからといって、散々虐げ馬鹿にしてきた姉のところへ逃げ込むのはどうかと思うが、乙葉にとってはそんな恥、今はどうでもよかった。
「だけど、旦那様が戻ってこられたら、なんと言われるかはわからないわよ…?」
「大丈夫!ちゃんと手土産もお持ちしたから」
清次郎に対して当たりの強かった乙葉に、初めて貴一と八重が叱ったのだ。
2人にとっては、清次郎は乙葉とともに黒百合家の将来を担う大事な婿。
結納を終えたからとて、逃げられては困る。
それに、乙葉の態度を蛭間家に告げられ、今さら関係がこじれるのも避けたい。
そこで、わがままを言うなと乙葉を叱ったところ、怒られ慣れていない乙葉は激怒。
口喧嘩に発展し、こうして乙葉は家を飛び出してきたのだ。
行くところがないからといって、散々虐げ馬鹿にしてきた姉のところへ逃げ込むのはどうかと思うが、乙葉にとってはそんな恥、今はどうでもよかった。
「だけど、旦那様が戻ってこられたら、なんと言われるかはわからないわよ…?」
「大丈夫!ちゃんと手土産もお持ちしたから」