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第二章 狐の面の男
黒百合家が約300年ぶりに神導位の座から外されるという、激震の走った今回の呪披の儀。

まるでその前触れかのように、初日は波乱の幕開けで始まった。


この日のために全国から集まった呪術師は数百人。

皇居で行われる呪披の儀は、『正の呪術』を用いて披露する。


初日と2日目は帝の側近たちが、力ある呪術師か否かを見定める。

帝は、3日目の最終日にしか顔を出さない。


つまり、初めの2日間で側近たちにその呪術を評価されなければ、そもそも帝の前に立つこともできないのだ。


側近たちの審判によってふるいにかけられ、最終日に帝の前で呪術を披露できる許可を与えられるのは、集まった呪術師の中でもほんの一握り。

約9割もの呪術師たちが2日の間に落とされる。


だからこそ、難癖をつける輩も現れる。
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