《マンガシナリオ》婚約 ♡ 破棄 !? 同盟
第1話 婚約者は御曹司
◯(回想)ひいろと巧が10歳のとき
2人仲よく遊ぶひいろと巧。
そんな2人を微笑ましそうに見つめる2人の両親たち。
ひいろと巧は幼なじみ。
両親たちは学生時代の友人同士で昔から仲がよく、ひいろと巧が生まれてからも家族ぐるみの付き合いだった。
巧の父「巧の将来のお嫁さんは、ひいろちゃんで決まりだな」
ひいろの父「巧なら、安心してひいろを任せられる!」
巧の母「ひぃちゃんなら、かわいいお嫁さんになること間違いなしね」
ひいろの母「今からでも2人の結婚式が楽しみ」
両親たちの話を聞いて、にっこりと微笑み合うひいろと巧。
巧「ひぃ。18歳になったら結婚しよう」
ひいろ「うん!わたし、たっくんのお嫁さんになる!」
指切りげんまんをするひいろと巧。
両親たちが口約束で勝手に決めた結婚だったけれど、当時まだ10歳だったひいろと巧は将来の約束をした。
(回想終了)
◯学校、2年1組の教室(朝のホームルーム前)
――あれから7年。
1学期初日の登校日。
クラス替えの紙を見て登校した生徒たちが、朝のホームルーム前まで思い思いに教室の中で過ごしている。
クラス替えで同じクラスになり喜ぶ生徒たち。
読書をする生徒。
おしゃべりを楽しむ生徒。
登校したひいろは、適当に座った席でバッグから荷物を取り出している。
加奈「ひいろー!」
そこへやってきたのは、黒髪のポニーテールが特徴的な女の子、根室加奈。
加奈は、中学からのひいろの友達。
加奈「また同じクラスだね!よろしく」
ひいろ「わたしもうれしい!また1年間よろしくね、加奈ちゃん」
加奈は、ひいろの前の空いている席に座る。
龍太郎「よう!オレもいるから、よろしく〜」
ひいろと加奈が話しているところへやってきたのは茶髪の短髪の男の子、久保龍太郎。
龍太郎もひいろとは中学からの友達で、加奈の幼なじみであり加奈の彼氏。
ひいろ「龍太郎くんもよろしくね」
龍太郎に微笑むひいろ。
ひいろの前で、加奈と龍太郎が話をしている。
それをうらやましそうに眺めるひいろ。
ひいろ「いいなぁ。好きな人がいっしょのクラスって」
加奈「あ、そっか。ひいろは巧くんとは同じクラスになったことがないんだもんね」
ひいろ「…うん」
龍太郎「それに今はあいつ、特別科コースだもんな。同じ学校でも校舎は違うし、そもそもコースが違うから同じクラスになることはまずないもんな」
10歳のときに将来結婚の約束をしたひいろと巧は、現在聖耀高校に通う2年生。
ひいろは普通科コースで2年1組。
巧は特別科コースで2年7組。
普通科コースと特別科コースの校舎は別々で、渡り廊下で繋がってはいるが、それぞれの生徒たちは普段はあまり交流はない。
ひいろはたまに、渡り廊下などで巧を見かけるくらい。
小中と2人は同じクラスになったことはなく、高校では選択したコースも違うため同じクラスになることはない。
そのため、カップルで同じクラスになった加奈と龍太郎のことがうらやましく思えたひいろ。
ひいろと巧は10歳のときの約束がきっかけで、現在、結婚を前提に付き合っている。
両親たちは仲のいい2人を見て、18歳になったら結婚することに快く承諾している。
ひいろと巧が将来を約束して付き合っているという噂は中学のときから流れていて、巧とひいろは仲睦まじいことで周りでは有名なカップルだった。
それは、この聖耀高校に入ってからも同じ。
クラスメイトたち「ねぇねぇ!もしかして、小野ひいろちゃんだよね?」
クラス替えで同じクラスになったひいろの知らない女子生徒たちが話しかけてくる。
ひいろ「そ…そうですけど」
クラスメイトたち「キャー!めちゃくちゃかわいい!さすが、巧くんが選んだ婚約者♪」
クラスメイトたち「巧くんとの将来が決まってるなんて、うらやましすぎる!」
もてはやされ、恥ずかしさで頬を赤くするひいろ。
加奈「さすが、ひいろ。中学のときもそうだったけど、この学校でも有名人だよね」
ひいろ「有名なのは、わたしじゃなくてたっくんだよ」
ひいろの幼なじみで婚約者の巧は、櫻木財閥の御曹司。
イケメンなのはもちろんのこと、黒髪短髪に高身長、勉強もできてスポーツもできて、この学校で巧を知らない生徒はいない。
そんな巧と結婚を前提に付き合っていると噂されるひいろ。
周りの女子生徒たちは、ひいろのことをうらやましがった。
しかし、ひいろは複雑な心境だった。
幼い頃こそ巧と結婚すると言っていたが、ひいろはただの一般人。
歳を重ねるにつれ、御曹司と一般人という身分差を不安に思うようになっていた。
巧の特別科コースは、家がお金持ちや、芸能人や有名スポーツ選手を親に持つ生徒が通っている。
巧には、そういう人たちのほうが釣り合うのではと考えているひいろ。
巧のことは好きだが、不釣り合いな自分に自身がなかった。
龍太郎「巧とは普段学校で会うことはあまりないと思うけど、2人で会ったりしてるの?」
ひいろ「うん。休みの日は出かけたりしてるよ」
加奈「リュウもなに当たり前なこと聞いてるの〜。ひいろと巧くんはラブラブなんだから、あたしたちが心配することなんてなにもないよ」
加奈のその言葉に、苦笑いを浮かべるひいろ。
身分差のこともそうだが、デートをしてもこれといった進展もなく、本当に巧は自分のことが好きなのだろうかということもひいろは不安に感じていた。
ひいろ(18歳になったら結婚するとは約束したけど…。あの約束がたっくんを縛っているんじゃないのかな)
キーンコーンカーンコーン
そのとき、朝のチャイムが鳴る。
それを聞いて、席につく生徒たち。
そこへ、担任が教室へ入ってくる。
◯学校、2年1組の教室(前述の続き)
担任「おはようございます。英語担当の石川です。この2年1組の担任になりましたので、よろしくお願いします」
ひいろたちのクラスの担任が軽く自己紹介する。
担任「出欠を取ったあと、始業式が行われる体育館に移動します。…と、その前に」
パタンと教卓の上に出席簿を置く担任。
担任「みなさんに紹介したい人がいます」
その担任の言葉にざわつく教室内。
クラスメイトたち「なになに?もしかして、転校生?」
クラスメイトたち「でもそんな話、全然聞いてないけど…」
クラスメイトたちは口々に話す。
担任「それでは入ってきてもらえるかな」
教室の前のドアに向かって声をかける担任。
ゆっくりと開くドア。
入ってきた人物を見て、目を丸くして驚くひいろ。
担任「特別科コースから編入してきた櫻木巧くんです。今日から普通科コースのこのクラスに加わることとなりました」
クールにたたずむ巧を見て、クラスメイトたちは驚く。
加奈「ちょっと…ひいろ!どういうこと!?巧くんが普通科コースって…!」
ひいろ「わ…わかんないっ。編入するなんて、ひと言も聞いてなかったから…」
絶対に同じクラスになることのないはずの特別科コースだった巧が、普通科コースのひいろのクラスにやってきて、驚きを隠せないひいろ。
担任「それじゃあ、櫻木くんはどこに座ってもらいましょうか…」
教室内を見渡す担任。
巧は勝手に歩き出し、止まった場所はひいろの隣の席。
そこには、すでに男子生徒が座っている。
その男子生徒を見下ろす巧。
巧「悪いけど、この席替わってくれる?ひいろの隣は俺だけだから」
巧がそう言うと、男子生徒は慌てて荷物をまとめて立ち上がる。
男子生徒「し…!失礼しましたー…!!」
空いたひいろの隣の席に座る巧。
ひいろ「たっ…たっくん、なんで――」
巧「今日から同じクラスだな。よろしく、ひぃ」
突然、同じクラスの隣の席になった巧に戸惑うも、ひいろは巧の爽やかなスマイルに頬がぽっと赤くなる。
ひいろ(…どうしよう!隣の席になったたっくん、いつにも増してかっこよすぎる…!)
巧をチラッと見て、すぐに赤くなった顔を背けるひいろ。
そのひいろの視線に気づいていた巧は、横目でひいろに目をやる。
巧(相変わらずかわいすぎるだろ、ひぃ。さっきの俺、ニヤけてなかったよな?)
ひいろが気づいていないところで、ひいろの横顔を見て頬を赤くする巧。
巧(ひぃにふさわしいクールな彼氏でいたいから、同じクラスになるために特別に編入したってことは、…ひぃには絶対に秘密)
2人仲よく遊ぶひいろと巧。
そんな2人を微笑ましそうに見つめる2人の両親たち。
ひいろと巧は幼なじみ。
両親たちは学生時代の友人同士で昔から仲がよく、ひいろと巧が生まれてからも家族ぐるみの付き合いだった。
巧の父「巧の将来のお嫁さんは、ひいろちゃんで決まりだな」
ひいろの父「巧なら、安心してひいろを任せられる!」
巧の母「ひぃちゃんなら、かわいいお嫁さんになること間違いなしね」
ひいろの母「今からでも2人の結婚式が楽しみ」
両親たちの話を聞いて、にっこりと微笑み合うひいろと巧。
巧「ひぃ。18歳になったら結婚しよう」
ひいろ「うん!わたし、たっくんのお嫁さんになる!」
指切りげんまんをするひいろと巧。
両親たちが口約束で勝手に決めた結婚だったけれど、当時まだ10歳だったひいろと巧は将来の約束をした。
(回想終了)
◯学校、2年1組の教室(朝のホームルーム前)
――あれから7年。
1学期初日の登校日。
クラス替えの紙を見て登校した生徒たちが、朝のホームルーム前まで思い思いに教室の中で過ごしている。
クラス替えで同じクラスになり喜ぶ生徒たち。
読書をする生徒。
おしゃべりを楽しむ生徒。
登校したひいろは、適当に座った席でバッグから荷物を取り出している。
加奈「ひいろー!」
そこへやってきたのは、黒髪のポニーテールが特徴的な女の子、根室加奈。
加奈は、中学からのひいろの友達。
加奈「また同じクラスだね!よろしく」
ひいろ「わたしもうれしい!また1年間よろしくね、加奈ちゃん」
加奈は、ひいろの前の空いている席に座る。
龍太郎「よう!オレもいるから、よろしく〜」
ひいろと加奈が話しているところへやってきたのは茶髪の短髪の男の子、久保龍太郎。
龍太郎もひいろとは中学からの友達で、加奈の幼なじみであり加奈の彼氏。
ひいろ「龍太郎くんもよろしくね」
龍太郎に微笑むひいろ。
ひいろの前で、加奈と龍太郎が話をしている。
それをうらやましそうに眺めるひいろ。
ひいろ「いいなぁ。好きな人がいっしょのクラスって」
加奈「あ、そっか。ひいろは巧くんとは同じクラスになったことがないんだもんね」
ひいろ「…うん」
龍太郎「それに今はあいつ、特別科コースだもんな。同じ学校でも校舎は違うし、そもそもコースが違うから同じクラスになることはまずないもんな」
10歳のときに将来結婚の約束をしたひいろと巧は、現在聖耀高校に通う2年生。
ひいろは普通科コースで2年1組。
巧は特別科コースで2年7組。
普通科コースと特別科コースの校舎は別々で、渡り廊下で繋がってはいるが、それぞれの生徒たちは普段はあまり交流はない。
ひいろはたまに、渡り廊下などで巧を見かけるくらい。
小中と2人は同じクラスになったことはなく、高校では選択したコースも違うため同じクラスになることはない。
そのため、カップルで同じクラスになった加奈と龍太郎のことがうらやましく思えたひいろ。
ひいろと巧は10歳のときの約束がきっかけで、現在、結婚を前提に付き合っている。
両親たちは仲のいい2人を見て、18歳になったら結婚することに快く承諾している。
ひいろと巧が将来を約束して付き合っているという噂は中学のときから流れていて、巧とひいろは仲睦まじいことで周りでは有名なカップルだった。
それは、この聖耀高校に入ってからも同じ。
クラスメイトたち「ねぇねぇ!もしかして、小野ひいろちゃんだよね?」
クラス替えで同じクラスになったひいろの知らない女子生徒たちが話しかけてくる。
ひいろ「そ…そうですけど」
クラスメイトたち「キャー!めちゃくちゃかわいい!さすが、巧くんが選んだ婚約者♪」
クラスメイトたち「巧くんとの将来が決まってるなんて、うらやましすぎる!」
もてはやされ、恥ずかしさで頬を赤くするひいろ。
加奈「さすが、ひいろ。中学のときもそうだったけど、この学校でも有名人だよね」
ひいろ「有名なのは、わたしじゃなくてたっくんだよ」
ひいろの幼なじみで婚約者の巧は、櫻木財閥の御曹司。
イケメンなのはもちろんのこと、黒髪短髪に高身長、勉強もできてスポーツもできて、この学校で巧を知らない生徒はいない。
そんな巧と結婚を前提に付き合っていると噂されるひいろ。
周りの女子生徒たちは、ひいろのことをうらやましがった。
しかし、ひいろは複雑な心境だった。
幼い頃こそ巧と結婚すると言っていたが、ひいろはただの一般人。
歳を重ねるにつれ、御曹司と一般人という身分差を不安に思うようになっていた。
巧の特別科コースは、家がお金持ちや、芸能人や有名スポーツ選手を親に持つ生徒が通っている。
巧には、そういう人たちのほうが釣り合うのではと考えているひいろ。
巧のことは好きだが、不釣り合いな自分に自身がなかった。
龍太郎「巧とは普段学校で会うことはあまりないと思うけど、2人で会ったりしてるの?」
ひいろ「うん。休みの日は出かけたりしてるよ」
加奈「リュウもなに当たり前なこと聞いてるの〜。ひいろと巧くんはラブラブなんだから、あたしたちが心配することなんてなにもないよ」
加奈のその言葉に、苦笑いを浮かべるひいろ。
身分差のこともそうだが、デートをしてもこれといった進展もなく、本当に巧は自分のことが好きなのだろうかということもひいろは不安に感じていた。
ひいろ(18歳になったら結婚するとは約束したけど…。あの約束がたっくんを縛っているんじゃないのかな)
キーンコーンカーンコーン
そのとき、朝のチャイムが鳴る。
それを聞いて、席につく生徒たち。
そこへ、担任が教室へ入ってくる。
◯学校、2年1組の教室(前述の続き)
担任「おはようございます。英語担当の石川です。この2年1組の担任になりましたので、よろしくお願いします」
ひいろたちのクラスの担任が軽く自己紹介する。
担任「出欠を取ったあと、始業式が行われる体育館に移動します。…と、その前に」
パタンと教卓の上に出席簿を置く担任。
担任「みなさんに紹介したい人がいます」
その担任の言葉にざわつく教室内。
クラスメイトたち「なになに?もしかして、転校生?」
クラスメイトたち「でもそんな話、全然聞いてないけど…」
クラスメイトたちは口々に話す。
担任「それでは入ってきてもらえるかな」
教室の前のドアに向かって声をかける担任。
ゆっくりと開くドア。
入ってきた人物を見て、目を丸くして驚くひいろ。
担任「特別科コースから編入してきた櫻木巧くんです。今日から普通科コースのこのクラスに加わることとなりました」
クールにたたずむ巧を見て、クラスメイトたちは驚く。
加奈「ちょっと…ひいろ!どういうこと!?巧くんが普通科コースって…!」
ひいろ「わ…わかんないっ。編入するなんて、ひと言も聞いてなかったから…」
絶対に同じクラスになることのないはずの特別科コースだった巧が、普通科コースのひいろのクラスにやってきて、驚きを隠せないひいろ。
担任「それじゃあ、櫻木くんはどこに座ってもらいましょうか…」
教室内を見渡す担任。
巧は勝手に歩き出し、止まった場所はひいろの隣の席。
そこには、すでに男子生徒が座っている。
その男子生徒を見下ろす巧。
巧「悪いけど、この席替わってくれる?ひいろの隣は俺だけだから」
巧がそう言うと、男子生徒は慌てて荷物をまとめて立ち上がる。
男子生徒「し…!失礼しましたー…!!」
空いたひいろの隣の席に座る巧。
ひいろ「たっ…たっくん、なんで――」
巧「今日から同じクラスだな。よろしく、ひぃ」
突然、同じクラスの隣の席になった巧に戸惑うも、ひいろは巧の爽やかなスマイルに頬がぽっと赤くなる。
ひいろ(…どうしよう!隣の席になったたっくん、いつにも増してかっこよすぎる…!)
巧をチラッと見て、すぐに赤くなった顔を背けるひいろ。
そのひいろの視線に気づいていた巧は、横目でひいろに目をやる。
巧(相変わらずかわいすぎるだろ、ひぃ。さっきの俺、ニヤけてなかったよな?)
ひいろが気づいていないところで、ひいろの横顔を見て頬を赤くする巧。
巧(ひぃにふさわしいクールな彼氏でいたいから、同じクラスになるために特別に編入したってことは、…ひぃには絶対に秘密)