幸あれ
「そういうことね……」








あきちゃんの声、……じゃない。







待って、ちょっと待って、












「涼くん??」









あ、いけた





いつもの声で、呼吸、笑顔、口角、仕草、涙の隠し、






パーフェクト








「なにが??」










「雪、好きです。付き合ってください。」









え、





そんな無表情、






あっ、もしかしてからかってる?











「涼くん?」








「雪が好き。」










「やーっと言ったわね、」







この声は








「はるちゃん??」








「あーもう、めんどくさいわねー」







「へ、え、なに??そこ隠れてた感じ?」








「YES」








涼くん、そこはね?ドヤ顔で返すとこじゃないよ?






「んで?へんじは?」








「……二人とも、恋人なんでしょ??なんで、あ、これ罰ゲームとか?やめてよー」








ほんと、全く勘弁してほしい。






期待しちゃうかと思ったでしょーが。










あ、やばい、泣きそ










「そんなんじゃないわよ、もう。……この際だから言うけど、私たちが付き合ってるってのは嘘。ぜーんぶ雪を素直にさせるため。さっきの、キスみたいなとこも、そのため。角度的にそう見えるようにしただけよ。」


















「あ、えと、……」







情報処理、できないんだけど










でも、





涼くんの









この瞳が、










いつもよりも赤くなっている頬が、本当だと伝えてくる。







「私も、好き、」





やばい、顔、熱い







「ん、じゃあまあよかったね、解決して。」




ふぁーっと、あきちゃんがあくびしながら言った。








「そうねぇ、」








「はい、さっさと帰ってくださーい」













え、ちょ、このまま二人にしちゃう感じ??







ぎゃ、ぎゃー!








彼氏?との帰り道で、私は心の中で悲鳴をあげた。























































































































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