幸あれ
あき、ちゃん




いつも、そんな、え?






全部、






「……一人になったって、泣かないとことか、それが当たり前になってるし。人の恋愛成功してるの、見てるの辛いはずなのに、相談、乗ったりとか。」





「、あきちゃ」





最後の、ん、がいえなかった。




目を瞑ってしまったのがいけなかったんだ。きっと。







秋ちゃんの言うこと、全部ドンピシャなんだもん。







「私、……自分勝手で、……だから、秋ちゃん、そんなふうに、思わなくていいよ」





そんなふうに、思わないで、









私が、私じゃなくなる。











「どこが自分勝手?」







「告白だって、してなくて、なのに、そんなの、おかしい。……勝手に、っ……嫉妬して、」





流れてほしくないのに。




なんで、




こういう時、







「その嫉妬、今まで誰に打ち明けた?誰にも言ってないでしょ?」












そんなの、言えないよ。






なんで秋ちゃんに出しちゃったんだろう。














「雪、もう頑張ったから、いいよ、」









「なにが、いいの、?」





何も頑張ってない。勇気出すこともできない、ただの臆病者だ。






「もう我慢しなくていい。俺にぶちまけていいよ。雪はもう十分。」


















「私、涼くんが、……好きで。大好きでぇ、っ」






本当に、大好きで、









でも、


















「私、はるちゃんのことも、……大好きで、」













「私、奪ってやろうとか、譲ろうとか、そんな、偉そうなこと、思ってないし。」





でも、……でも






だけど、







やっぱり好きで、







この感情をどうしたらいいかわかんなくて、









だから









だからこのキャラで行くしかない。








隠せる気がしないから、だから










「あきちゃん、……ごめんね?」






声は震えていないだろうか。












「雪、もういいってば」










頭にポンっと手を置かれた。









もう










限界だった











「っ、もう、やめてぇ。」





これ以上、もう無理。









「ダメ、やめない」











あきちゃん、なんで、







今日初めてみたよ、そんな顔。







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