先輩の一番になりたい
「おはよう、美琴ちゃん!」

「おはよう」

 恵奈ちゃんはいつになくテンションが高い。
 前のめりに私にぐいっと近づいて、目を輝かせながら話を続けた。

「ついにこの日が来たね、体育祭! 楽しみ~。美琴ちゃんも篠宮先輩のこと見に行くでしょ?」

「えっ」

「あれ? 見に行かないの? クラスの女子、ほとんどの子が見に行くとか行ってるよ?」

 先輩の人気っぷりは予想以上だった。

 女子で見に行くのは、うちのクラスだけじゃない。
 他のクラスや2年や3年の先輩たちだって、興味ある人はこぞって見に行くだろう。

 話を聞いてるだけで、どこぞの芸能人かアイドルかと思ってしまう。

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