【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい

 そんな彼の隣にいることに最初は戸惑っていたけれど、日ごろ甘やかされているうちに気にならなくなってしまった。

「慣れってこわい……」

「ん?」

「いえ、さっきのビュッフェ、美味しかったなって」

 顔を上げると、賢人さんは「そうだな」と微笑んだ。

 週末はだいたいお互いの家を行き来しているけれど、今日は随分前から賢人さんが予約してくれていたスイーツビュッフェに行ってきたのだ。ビュッフェといってもオーダー式で、キッシュなどの軽食もあったから大分食べ過ぎてしまった。

「意外とクロワッサンがうまかったよな。バターの香りが芳醇で、パリッと香ばしいのに口の中で溶けるみたいな食感だった」

「本当、スイーツももちろん美味しかったけどスコーンとかも美味しくて止まらなかったです」

 思う存分食べた後、胃の消化を助けるべく食休みがてらのんびりと散歩をする。平日のオフィスでの慌ただしさとはまるで異なる時間を賢人さんと過ごせることに改めて胸がいっぱいになる。

 私、今満ち足りてる。

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