【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
 悪びれた様子もなく白い歯を見せて、昴はスマホに目を落とす。

「昼休み何時まで? この近くに超絶穴場のレストランを見つけてさ」

「行かないよ。私はアレを買うから」

 敷地横に停車している移動販売のお弁当屋を指差すと、昴は眉をひそめた。

「いやいや、食いしん坊のおまえがあんなんで満足するわけないじゃん」

 言葉を詰まらせる私に、昴は得意げな表情を浮かべる。

「な、行こう。会員制の和食屋なんだよ。ランチは非会員でも入れるけど、数量限定だからひっそりやってんの」

 それは魅力的。と思いつつ、首を振った。

「行かないってば」

 こうしている間にも知り合いに見られてしまうかもしれない。声を潜めてどうにか追い返そうとするけれど、私の性格を知り尽くしている昴がすんなり帰ってくれるはずがなかった。

「いいから帰って」

「じゃあ、飯行ける日教えてよ」

「無理」

 押し問答をしていると、背後から声を掛けられた。

「わ……小松さん?」
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