【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
男性二人にあれこれ世話を焼かれて困惑しながらも、和食御前の素晴らしさに舌鼓を打った。
煮魚にお刺身、茶碗蒸しに煮物の小鉢、さらに鶏ささみのフライ。香の物とお味噌汁までついて二千円に届かないなんてコスパが良すぎる。
最高に美味しい。
口には出さずに噛みしめていると、昴がニヤついていることに気づいた。
「な、いい店だろ?」
数量限定というだけあって昼食時にはすぐに売り切れてしまうこちらのお店に、昴は来る直前に電話をかけて予約を入れてくれたのだ。
「しっかし三食分残っててよかったよ。まさか人数増えるとは思ってなかったし。冴島さんはこの店知らなかったんすか?」
さらりと嫌味を織り交ぜる昴に賢人さんの表情は穏やかなままだ。
「商談で使ったことはあるけど、ランチは初めてだな。いい発見になったよ。今度ふたりで来ような、和花」
私に微笑みかける賢人さんも負けていない。
笑顔でバチバチと火花を散らすふたりに挟まれつつ、お料理に罪はない、と自分に言い聞かせて食事を堪能した。
「ふう、満足」
「このあとコーヒーと焼き菓子が出てくるよ」