【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい

 昴の言葉に「え、そうなの」と反応すると、彼は噴き出した。

「顔、輝かせすぎだって」

 苦笑され気恥ずかしさにうつむいた。

 私ってば、賢人さんの前で食欲を全開にするなんて。まあ、恥ずかしがっても今さらかもしれないけれど。

 ちらりと隣をうかがうと、賢人さんは優しげに微笑んでいる。

「賢人さんも甘いもの」

 好きですもんね、と声を掛けようとしたとき、スマホの着信音が響いた。

 ポケットから取り出したのは賢人さんだ。画面を確認してすぐさまスマホを耳に当てる。

「はい、冴島です」

 瞬時にビジネスモードに切り替えて、彼は「失礼」というように手を上げて店の外に出ていく。それを見て、昴がつまらなそうにつぶやいた。

「休憩中も電話に出るんだな。お忙しいことで」

「昴も忙しいんじゃないの?」

「まあね」

 運ばれてきたアイスコーヒーに口をつけると、彼はドアを見つめながら口にした。

「あの人……冴島サンさ、本当に和花に本気だと思う?」

「え、どういう意味?」

「あれだけ見た目が良くて仕事できそうで金も持ってそうな男がさ、和花を選ぶのかなと思って」
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