【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
もちろん一番おいしいのはお気に入りのパティスリーのケーキだけれど、仕事帰りには閉店しているし、特別感を大事にしたいから自分へのご褒美のときにしか買わないようにしている。
ただでさえ甘いものに目がないのに、仕事の疲れをスイーツで癒す習慣をつけたら大変なことになる。
「気をつけなきゃ」
そそくさとコンビニを後にし電車に乗り込んで待ち合わせのお店に向かった。
私の最寄り駅から徒歩五分の隠れ家レストランは、つい最近ふたりで見つけたお気に入りのお店だ。
店内は木のぬくもりに溢れオープンキッチンのカウンター席にはカップルシートのように二人掛けソファが設置されている。
フレンチをベースにジャンルにとらわれない様々な創作料理を提供しているこのお店は、新鮮な魚料理が絶品だ。そのうえデザートも凝っているから、来るたびにシェフのおすすめを頼むのが楽しみになっていた。
予約名を告げてシートに案内されると相手はまだ来ていなかった。当然といえば当然だ。
忙しそうだったしな。
オフィスでの姿を思い出しながらスマホに目を落とす。
彼と付き合い始めてもうすぐ七カ月。あっという間だったようなそうでもないような。