学校公認カップルの痴話喧嘩に遭遇してしまった。
「彩金さんと、東くんは、付き合ってるんじゃ……?」
「無い無い。男同士だよ?」
キッパリ宣言され、東銀雅はより不機嫌になる。
「あの、それじゃあ、おふたりの関係って……?」
「ボク達、双子なんだ」
「双子?」
「そ」
ふたりの顔を見比べる。
言われてみても、整った顔だということしか……。
いや、垂れ目なところは似てるかな。
「入学式で会った時はびっくりしたよね」
「運命だな」
「両親が離婚して、引っ越したし、まさかまた会えるなんて」
「二度と離したくないって思ったよ」
「兄離れして」
どさくさに紛れて抱きつこうとするのを制されていた。
東銀雅の方が弟なんだ……。
「だから、こいつのことは気にしなくていいよ」
いや、気にします。
「一目惚れしちゃったんだ。まずは友達からでいいから、よろしくね」
「あ、はい」
反射的に返事をしてしまった。
すると、フッと微笑んだ彩金に再び唇を奪われる。
「………消毒。銀雅に舐められちゃったもんね」
「………コロス」
東銀雅からは殺気が溢れ出ている。
私はどんな感情になっていいかわからなくなった。