コーヒーには、ミルクと砂糖をたっぷりと
計の手が美紅の頰に優しく触れる。美紅は耐えられなくなり、涙を流しながら計に抱き付いた。

「……助けて……ストーカーが……」

「すぐにカフェに行きましょう」

計は美紅の手を優しく引いた。



それから数ヶ月後、美紅はマンションのドアの前に立つ。あのストーカー事件以来、ドアを開けるたびに緊張してしまうのだ。

美紅がドアを開けると、部屋の前に立っていた男性が振り返る。計だった。

「おはよう、美紅」

「おはようございます、計さん」

計と共に美紅は歩き出す。今日は平日。美紅は大学での講義がある。計がここにいるのは、美紅を大学まで送るためだ。

計に助けを求めた後、美紅はカフェOliveに連れて行かれた。Oliveは今日は定休日だったのだが、計は美紅のためだけにカフェを開け、ココアとケーキを用意し、落ち着くまで隣にいてくれた。そして、告白をされたのだ。

『こんな時に言うのは卑怯だとわかってはいますが、僕は美紅さんが好きです。僕にあなたを守らせてくれませんか?』
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