コーヒーには、ミルクと砂糖をたっぷりと
「陽介くんの大学のお友達ですか?」

「……同じサークルのメンバーなんすよ」

「初めまして。このカフェの店長の柊計(ひいらぎけい)です。よろしくお願いします」

「奥のテーブル席、空いてますよね?そこ使いますんで」

計はニコリと笑いながら自己紹介をしてくれたものの、陽介は何故か一気に不機嫌な様子になり、美紅たちが自己紹介をする前にさっさと奥のテーブル席へと向かってしまう。

「どうしたんだろう、急に……」

美紅が呟くと、匠が「複雑な男心だ」とだけ返す。意味がわからず首を傾げている美紅を、計はジッと見つめていた。

テーブル席に美紅が向かうと、陽介はいつも通りの彼に戻っていた。メニュー表を美紅たちに渡し、おすすめのメニューを教えてくれる。その時だった。彼のスマホが音を立てる。

「おっ!注文してた靴が届いたみたいだ!」

陽介は笑顔でスマホの画面を美紅たちに見せる。そこには、有名スポーツブランドの新作の靴が写真があった。
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