コーヒーには、ミルクと砂糖をたっぷりと
「かっこいい靴だね!」

美紅がそう言うと、「この靴、ずっとほしかったんだよな〜」と満足げに陽介が笑う。その時、人数分のお冷やを計が持って来た。

「その靴は××の新作ですね。僕もほしいなと思ってるんですよ」

「柊さんに似合うと思いますよ」

美紅がそう答えると、計は嬉しそうに微笑む。陽介の顔から笑みが消えた。



「お疲れ様でした〜!」

カフェOliveを陽介に教えてもらってから数日後、美紅は飲食店でのバイトを終えて家へと帰っていた。時刻は二十時。すっかり辺りは暗くなり、夜空には高く月が登っている。

漆黒の空をぼんやりと照らす月と星を見上げながら、美紅はゆっくりと歩いていた。頭の中では明日の大学の講義のこと、そして講義が終わった後のことを考えていた。

(明日の講義が終わったら、カフェOliveに行こうかな。のんびり買ったばかりの本を読みたい)

カフェOliveのコーヒーやスイーツはとてもおいしく、美紅はあのカフェを気に入り、すでに何度も足を運んでいる。計とも話をするようになっていた。
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