無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「気持ちのいい食いっぷりですね」

 パーシーが感心してくれた。

「料理長が『レディだから、量が多すぎるのではないか』と心配していましたが、まったく問題ありませんでしたね。いまの量は、兵士と同じなのです。兵士並みの食いっぷりです。料理長も満足するでしょう」

 そして、チャーリーも感心してくれた。

 いままで褒められたことなんてなかったから、素直にうれしい。

「美味しいのです。残すなどという選択肢は、わたしにはありません」

 全力の笑顔になっていた。

 得意のヘラヘラ笑い、ではない。あれは、元夫の命令通り演技をしていたにすぎない。

 いまのは、心からの笑顔である。

 だって、ほんとうに美味しかったから。なにより、心がこもっている。
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