無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

町へ行く

 町まで馬車に乗せてもらった。

 この古城に連れてきてもらったときと同じ馬車を準備してくれようとしたけれど、そんなおおげさにしてもらう必要はない。だから、荷馬車にしてもらった。

 親衛隊の隊員が馭者を務めてくれて、わたしはその横に座った。パーシーとチャーリーは、愛馬に乗っている。

 駐屯地を出て、森の中を進んで行く。

 ときおり鳥たちのさえずりや羽音がするだけで、それ以外の音はない。

 訂正。わたしたちの喋り声と笑い声もする。それが、静かな森の中で異常なまでに響き渡る。

 この森の中にいる動物たちは、騒々しい人間たちだと思っているに違いない。
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