無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 それはともかく、必要な物は手に入った。既製品ばかりなので、包んで持たせてくれた。

 わたしがどれにするかすぐ決めたこともあり、思いのほか早く目的をすませることが出来た。

「それでは、カフェに行こう」ということになり、靴屋の店主に見送られながら店を出た。

「陛下?」
「陛下?」
「ヴィクター様?」

 その瞬間、パーシーとチャーリーと三人で同時につぶやいた。

 馬車で待ってくれている近衛隊の隊員といっしょに、ヴィクターがいるのである。

 彼は、わたしたちを黒馬の背からギロリと睨み下ろしている。
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