無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「って陛下、どうしてここに?」
「ふんっ! おれがここにいてはいかんのか、パーシー?」
「いえ、そういうわけでは」
「見てわからんのか? 視察だ、視察。いつものようにな」

 ヴィクターは、大きくて分厚い手をひらめかせて向こう側を示した。

 馬車道をはさんだ向こう側で、近衛隊の隊長と隊員たちが馬上こちらを見ている。
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