無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「ちょっと、なにをするのよ」

 彼女は、叫んだ。と同時に、わたしの右腕を力いっぱいひっぱった。

 レディとは思えないほどのその力に、ひっぱられるままになる。

 気がついたら、飛んでいた。ものの見事に。

「キャッ、この無能者がわざとぶつかってきたわ」

 義姉の悲鳴が後頭部にあたった。
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