無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「だから、イヤだと言っているだろう?」

 ヴィクターの声はますます大きくなっていく。

『パーシー、その調子だ。これはチャンス。カフェに行き、自然な感じで彼女の隣に座りたい。ぜったいに彼女の隣に座りたい』

 わたしの隣に座っても、とくになにもないと思うけれど。

 ヴィクターの「真実の声」は、ずっと「彼女の隣に座りたい」と主張している。

 内心で苦笑しつつ、ゾロゾロとカフェに向った。
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