無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
(ああ、なるほど。わたしがぶつかったふりをしているのね)

 そんなことをしなくても、わたしはすでに負け犬なのに。

 そんなことを思っている間でも、ふわりと宙に浮いた体が重力に従って落下していく。

「ああ、今日は人生最良の日だわ」

 声に出して言ってみたつもりだったけれど、声はでなかったかもしれない。

 そうつぶやいたとき、視界が真っ暗になった。

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