無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 起き上がろうとして、自分が座席と座席の間にスッポリはまってしまっていることに気がついた。

 座席から転がり落ちたのかしら?

 というか、どうして馬車に乗っているわけ?

「アイタタタ」

 状況が分からなさすぎる。

 痛みを我慢して起き上がったものだから、痛みに耐えかね小さく声が出してしまった。

「気がついたか?」

 馭者台からだみ声がきこえてきた。
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