無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「ヴィクター様、お気遣いありがとうございます。ですが、わたしは自分のことは自分で出来ます。実際、いまもやっていますので。ですから、わたしなどの為に貴重な人員を割いていただかなくて結構……」
「なんだと? たしかに、きみは不必要な存在だ。しかし、それでも客人は客人。『じつは、ずっと不便な生活を送らされていた』などと、あとであらゆる人間にささやかれてみろ。将軍、ひいては国王であるおれの配慮が足りなかったと非難される。それは、迷惑この上ない」

 ヴィクターの不興を買ってしまった。
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