無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
『婚儀? 彼女と婚儀だと? ど、どうしよう。そんなふうに考えたことはなかったぞ。だが、そ、そうだな。今回の件で彼女の心証をよくしたのだったら、婚儀に近づけたかもしれん。いや、やはりそれはまだはやいか? しかし、婚儀。婚儀か。いい響きだ。彼女、純白のドレスが似合いすぎるだろうな? いつにも増して可愛いに違いない。そんな姿を見せられたら、おれは他の男どもから彼女を隠さなければならん。よって、新郎の役目どころの騒ぎじゃなくなるぞ』

 ヴィクターの妄想が止まらない。暴走しまくっている。

 彼の妄想っぷりに呆れ返りながら、パーシーとチャーリーとともに執務室をあとにした。
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