無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

奇襲

 その攻撃的なノックをする人物は、すくなくともパーシーとチャーリーではないことがわかる。

 そんなことを考えている間にも、攻撃的なノックは執拗なまでに続いている。よくきいてみると、攻撃的なだけでなく複数人がノックしているように感じられる。

「どうぞ」

 とりあえず、そう言うしかない。

「『どうぞ』ですって? えらそうに、そっちが開けなさい」
「そうよ。わたしたちに扉を開けさせるなんて、何様のつもり?」

 驚いた。

 扉の向こうからきこえてきた声は、まぎれもなくレディのものだったからである。

 そう認識したときには、扉へ向かって歩いていた。
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