無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「あの、どちら様でしょうか?」

 わからないときには、素直に尋ねるのが一番手っ取り早い。だからそうした。

「『どちら様でしょうか?』、ですって?」
「わたしたちを知らないなんて、弱小国の傷物だけはあるわよね」

 彼女たちは、また同時に言った。

 同時だったけれど、なんとかききとれた。

 片方のレディが言った内容は、彼女たちがわたしのことを知っていることを示している。
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