無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「それで、あいかわらず陛下の追っかけか? こりもせずよく出来るな」
「ああ、その通りだ。陛下の尻を追いかけましてなにが面白いのかね」

 イヤな予感しかしていない間に、パーシーとチャーリーがムカつくほど嫌味たらしい表情で言った。

「当り前よ。陛下の心を射止めるのは、わたしたち姉妹以外にないわ」
「そうよ。わたしたちのどちらかが正妃に、もうひとりは側妃に。陛下を一生涯守り、慈しむの」

 彼女たちは、やっと同時にではなく順番を守って喋った。
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