無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「このちんちくりんが邪魔さえしなければ、わたしたちの計画はスムーズに進むはずだったのよ」
「そうよ。このちっちゃい傷物レディが邪魔なのよ。だったら? 排除するしかないわよね?」

 彼女たちは、体ごとわたしの方に向き直った。

 二人の美しい顔には、いまや悪意と敵意がみなぎりすぎている。

(同情なんてするものですか。わたしをどうにかするつもりだなんてどうかしているわ)

 先程までの共感は、一瞬にして消え去ってしまった。

 正直、ショックすぎる。

 しかもいまのは本音のようで、「真の声」がいっこうに流れ込んでこない。
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