無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

王女殿下

「小娘たち、どきなさい」

 彼女は吠えた。そのような動作もまた、だれかを彷彿とさせる。

 双子の公爵令嬢たちは、慌てて飛びのいて道を開けた。

 あらたなレディは、わたしの前までやって来てこちらを見おろした。

(うわぁ、大きい)

 見上げるこの動作や感じる思いもまた、だれかに抱いたものとほとんど同じである。
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