無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「ほんと、小さくてひ弱そうね。小指一本でぶっ飛ばせそうだわ。あるいは、息の根を止めることが出来そう。こんなので務まるのかしらね?」

 王女殿下と呼ばれている彼女は、腰に手を当てこちらを見おろしながら呆れ返っている。

「王女殿下、そうですよ。そんなちんちくりんに正妃が務まるわけがありません。痛めつけて放り出せば……」
「王女殿下、まるで小動物です。そんな小動物は、足で踏みつけてほっぽりだしてしまえば……」

 双子の公爵令嬢たちが同時に言いだした。が、彼女たちは最後まで言うことは出来なかった。

「小娘たち、だまりなさい。この娘は、わたしの獲物よ。あなたたちのじゃない。わたしが好きなようにするわ」

(ひえええええっ)

 彼女にギロリと睨まれてしまった。

(こ、怖すぎる)
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