無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

国王が飛んで来た

 そのあとが大変だった。

 ヴィクターが飛んできた。彼は巨躯にもかかわらず、居住区域の廊下を文字通り飛ぶようにしてやって来た。

 そのヴィクターに、公爵令嬢たちが噛みついた。こちらも、文字通り噛みついたといっていいほどの勢いで責めた。

 わたしのこと、それから自分たちというレディがいながら駐屯地から王都に戻ってこないこと。

 ヴィクターは、双子姉妹に言葉を返さなかった。沈黙を守り通した。というよりか、返せなかったのかもしれない。

 すると、双子姉妹はますます饒舌になった。はやい話が、調子にのった。
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