無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「きみがそこまで言うのならそうすればいい」

 ヴィクターが了承してくれた。

「弟が言うのなら仕方がないわね」

 そして、王女も。

「キャロライン・ホワイトウエイよ。愛称はキャロル。王女殿下なんて呼ばないで。軟弱きわまりないわ。キャロルと呼んでちょうだい」

 王女、いえ、キャロルが手を差し出してきた。

 その手もまた、ヴィクター同様大きくて分厚い。

 その手を握ると、ヴィクター同様やさしくてあたたかい。そして、力がみなぎっているのを感じる。

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