無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 とはいえ、ド素人のわたしである。装備はいっさいなし。手ぶらで出発した。

 キャロルはもちろんのこと、小隊が付き添ってくれている。

 キャロルは、オーディントン国軍で将校を務めていたらしい。この駐屯地には、彼女の部下だった兵士たちが大勢いる。その中の小隊が付き添ってくれているのである。

 ほんとうは、その小隊はキャロルやわたしになにかあってはと護衛の役割を担っている。しかし、キャロルは護衛がつくことをよしとしない。
 弟のヴィクター同様強い彼女は、なにがあっても対処出来る自信がある。たとえ大勢の暗殺者たちに襲われようと、他国の軍がやってこようと、頭脳と腕力でもって退けるだけの力を備えている。
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