無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 人間という生き物は、じつに単純である。

 いいえ、違う。

 わたしが単純なだけなのかもしれない。

 最初こそ、ルビー鉱山まで行くのに永遠に歩き続けなければならないほどのときと体力を要した。しかし、それも毎日何度も何度も往復をする内に慣れていった。

 気がついたら、キャロルや兵士たちと談笑しながら何往復も出来るようになっていた。

 歩くだけではない。筋力をつける為に、腕立て伏せや腹筋や屈伸運動などを行った。

 それらも最初はまったく出来なかった。しかし、じょじょに出来るようになった。

 いまでは、キャロルが指定する回数を余裕でこなせるようになった。ちなみに、何百回単位である。

 それはそうと、指導してくれるキャロルはもちろんのこと兵士たちも褒め上手である。
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