無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 彼女は、わたしが「王女殿下にそんなことをさせられないから、わたしが簡易寝台で眠ります」というのを、笑って拒否したのだ。

『現役時代には、土の上に横になるなんてこと当たり前だったのよ。寝台なんて贅沢すぎるくらいよ』

 彼女は、そう言った。

(ヴィクターもそうなのかしら?)

 彼もきっと、彼女みたいにこだわりがないのに違いない。
< 282 / 375 >

この作品をシェア

pagetop