無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「とはいえ、すぐにすべてをかえられるわけはない。差し当たり、勝負はもうすぐのことだし。バカね、ヴィクター。そんなに怒らないでよ。大丈夫だから。サエは死なない。まぁ、最悪瀕死はあるかもしれないけれど」
「なんだって? 瀕死って、そのようなことが許されるか」
「ヴィクター、だから大丈夫だって。サエのことを信じなさい。それから、わたしのことも。いいわね?」

 キャロルは、まるでわたしがここにいないかのようにわたしのことを話している。しかも、どういう根拠か知らないけれど、わたしが大丈夫だとムダに強調している。
< 290 / 375 >

この作品をシェア

pagetop