無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 これまで以上に燃えた。こんなに必死になったことなんて、人生の中でなかった。

 なにせ祖国では、元夫のことも含めて諦観しまくっていたから。なにもなく、なにかを得ようともしなかったから。

 それこそ、寝食を忘れるほどがんばった。

 訂正。大げさだった。

 ちゃんと食べた。これまで以上の食欲っぷりに、料理長のシドニーがおもいっきりひいたほど食べた。そして、自室に戻ると、キャロルが話しかけてきてそれをきいている間に眠ってしまっていた。キャロルがいうには、白めを剥きそうな勢いで寝台の上に倒れ、倒れた瞬間にはやすらかな寝息を立てているらしい。
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