無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「キンッ」

 またしても金属同士のあたる嫌な音が耳をつんざいた。

「キャアッ!」

 そのときには、アイリーンがふっ飛んでいた。

 そして、彼女たちは時間差で稽古場の板張りの床に背中から落ちた。

 どちらもピクリとも動かない。

「勝者サエッ!」

 キャロルの勝利宣言を耳にしてもなお、現実を認められないでいた。
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