無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
『なんだよ、まったく。またお茶目ないたずらってやつ? くだらないったらないよな。兄貴の奴、おれと兄貴の名を交換して伝え、あとから混乱させようって。まるでガキだな』

 そのとき、そんな声がきこえてきた。

 すごく違和感のあるきこえ方に、左右やうしろを振り返ってしまった。

 耳から入ってきたというのではなく、直接頭、もしくは心にささやかれたようなきこえ方だった。
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