無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「嫌だわ、サエ。どうしてわたしに言わないの?」

 彼女は傷ついたように見えた。気のせいかもしれないけれど。

「キャロル様、申し訳ありません。わたしのワガママに付き合わせては申し訳ないと思ったのです」

 まったくの嘘ではない。いまのも理由のひとつには違いないから。

「レディ、陛下が会うそうです。執務室へどうぞ」

 ロビンが尋ねに行って戻ってきた。
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