無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「ヴィクター様、おかえりなさいませ。戦勝、心よりお祝い申し上げます」

 執務室に入るとすぐ、スカートの裾を指先でつまみ上げて挨拶をした。

 執務室には、ヴィクターだけでなくパーシーとチャーリーもいる。ヴィクターだけ執務机の向こうに座っていて、二人はその両脇にたたずんでいる。

「ふんっ! 戦勝? まともに戦ってはおらん。戦勝などと言うな」

 彼は、あいかわらず不愛想かつ不機嫌この上ない。
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