無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「あれだけサエに翻弄され、動き回された挙句に大剣を空振りしまくったら疲れきるわ」

 そう。双子のレディたちは、最後の方はほとんど体力が残っていなかった。

 それぞれの最後の一撃も、大袈裟に見えただけで大したことはなかった。したがって、非力なわたしでもレイピアで受け止めた上で弾き飛ばせたのである。

「とはいえ、サエの俊敏さと瞬発力はあなどれないわよ。兵士たちだってかなわないかも。ヴィクター、あなたもね」

 キャロルは、そう締めくくった。
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