無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました～じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます～

「おれは、レディごときにやられん」

　ヴィクターは、盛大に鼻を鳴らした。当然の反応である。

『うわあああああっ！　彼女、カッコいいじゃないか。くそっ！　是非ともその雄姿をこの目で見たかった。残念でならない。だが、彼女にケガがなくてほんとうによかった。気が気でなかったからな。いずれにせよ、彼女に剣は似合わない。そもそも、彼女が戦う必要などない。おれが守り抜くのだから。おれは、愛する彼女を守ってこその存在だ』

　ヴィクターの熱すぎる「真実の声」は、ほんとうにうれしかった。

「おれが守り抜く」

　彼のその気持ちがなによりうれしい。