無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「ひとえに加護の力を持つ王妃を離縁し、その真逆の力を持つ悪女を王妃にしたからだ」

 彼は、そのように憎々し気に付け足したという。

「はい? それってわたしのことですか?」

 指揮官の告げたのは、もしかしてわたしのこと?

「確認するまでもなかろう。きみのことだ」
「ですが、ヴィクター様。わたしにはそのような力はありませ……」

 否定しかけてハッとした。
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