無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました～じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます～

「サエ、それなら目に物みせてやってはどう？　子どもの頃からあなたを蔑ろにし、蔑み、虐げた挙句に野獣に生贄に差し出した相手にね。ついでに元家族にも」

　キャロルは、そう言ってからウインクをした。

　ヴィクターは、わたしのことを調べさせた。彼女は、その結果をきいたに違いない。

　つまり、ヴィクターも彼女もパーシーもチャーリーも、わたしのこれまでの人生をくまなく把握している。