無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「ヴィクター、というわけでうまくやりなさいよ。オーディントン国の国王通称『野獣の王』、としてだけではなくね。この意味わかるわよね?」
「ふんっ! おれがレディの為に? 冗談ではない。おれは、国王として当たり前の対処をするだけのことだ。いいか、レディ。いらぬことは言うな。反論も否定もするな」

 彼は、鼻を鳴らしてからわたしにそう命じた。

『うわああああああっ! 愛する彼女の最近の様子がたまらなく愛おしすぎたが、こんなはかない様子を見せられると涙が出そうになる。言われるまでもない。奴らは、火に飛び込んできた虫も同じこと。奴らにとっては、目に物どころか最恐のざまぁを味合わせてやる。愛する彼女よ。おれに任せておけ。きみの無念を全力で晴らしてやる』

 彼の「真実の声」が頼もしすぎる。が、その反面怖すぎる。

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