無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました～じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます～

　そして、元夫たちが謁見の間に連れてこられた。

　ここは古城である。こじんまりとしているけれど、謁見の間がある。

　複数の兵士たちによって連行されてきた元夫と義姉は、ずいぶんと変わり果てていた。

　元夫は、もともとまったく動かなかった。それこそ、指一本動かそうとしなかった。その為、ブヨブヨと太っていた。

　彼は、肥満こそが支配者のステイタスのひとつと勘違いしているのかもしれない。

　さらには、陽にあたることがないので肌は真っ白。

「白豚皇帝」とひそかに呼ばれていることを、彼は知らないに違いない。