無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 ヴィクターは、そのタイミングで立ち上がった。そして、筋肉質な左腕をわたしの腰にまわした。

 彼の分厚い胸板に自然と引き寄せられる。

 眼下では、兵士たちが元夫と義姉の面を上げさせたところだった。

「……!」
「……!」

 元夫と義姉の瞼が大きく見開かれたのが、ここからでもよく見える。

 二人とも唖然としている。

 なにか言おうとして口をパクパクしているけれど、二人の口から出てくる言葉はなかった。
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