無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「おお、そうだ。特別に教えておいてやろう。貴様の正妃は、彼女とは逆に災いを呼ぶ力を持っている」

 ヴィクターは、そう告げてから大笑いした。

 腰にまわされている彼の腕は、やさしくてあたたかい。

 それは、勇気と力を与えてくれる。

 だからこそ、これまでわたしを虐げ蔑んできた相手を前にしても堂々と見おろしていられる。

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